pokopoco’s diary

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貸借対照表と損益計算書の分析時の基本的ポイント

 前回の投稿で財務諸表の分析として幾つかの手法を投稿したが、今回はそれ以前の財務諸表の見方について投稿する。

ポイントとしては13個あげられる。


1売上と利益は成長しているか
2売上粗利益は高いか
3事業管理費は多いか
4各種利益率は高いか
5現金(キャッシュ全般)は多いか
売掛金の回収は良好・もしくは早いか
7在庫金額は大きいか
8固定資産等設備は多いか
9株式や債権の保有量は多いか
10買掛金の支払いは早いか
11借入金は多いか
12資本金は多いか
13利益剰余金は多いか

 

1つ1つ詳細を以下に述べる。

 

1 毎年ごとの売上が増加していることは全ての基礎となるので重要。しかしそれ以上に重要なことは、売上総利益や事業利益(本業の基本となる利益)が増加していることが重要。

2 売上総利益は原材料を仕入れて商品として販売するうえでの大まかな利益のこと。 「安く仕入れて高く売る」ことが商売の基本とするならここの利益は安定的に20~30%は望みたい。

3 商品販売をする際の公告宣伝費や人件費が主体となる。企業の形態によっては外注に委託する内容が多く、売上原価を低くする反面、事業管理費で計上する場合も多い。分析の一例として、売上高販売管理費率を使用することがあげられる。製造業の平均率が20~30%ほどらしい。

4 売上高に対する営業利益や経常利益が年度ごとにどのように変動しているか確認する。

5 現金預金以外に有価証券や投資有価証券、貸付金も実質的な現金と考える。(資金として見なせるかがポイント)

6 売掛金の回収状況は売掛金÷売上高でBS上の割合を出して、365日で掛け直すと販売から現金回収までの平均日数を算出出来る。数値は低い方が回収日数が少ないので資金繰りでは有利となる。

7 在庫金額は売上高で割ってその数値を365日で掛け直す。すると売上高相当の在庫保有日数が分かる。資金化という面では数値は低い方が良い。

8 有形・無形固定資産は売上高で割って指数を算出し、毎年の指数と比較する。固定資産を持つ事は反面、資金化まで時間を掛けることなので注意する。

9 株式や債権の保有量は固定資産上にある投資有価証券や株式出資金などを見る。
 原則では時価評価した金額を計上するが、グループ会社の株式は時価評価しないので注意。

10 買掛金の回収状況は売掛金と同様に、買掛金÷売上高でBS上の割合を出して、365日で掛け直すと仕入から現金回収までの平均日数を算出出来る。
 数値は低い方が支払日数までが長いので資金繰りでは有利となる。

11 借入金は流動負債と固定負債社債含む)の両方で計算出来る。借入金がある時は支払利息も発生するので損益上でも不利となる。

12 資本金は返済不要な資金なので多い方が良い。しかし毎年の剰余金(純利益)が確保出来る場合はその資金で経営資金に出来るので、必ずしも資本金を増やさないといけないわけでは無い。

13 PL上での繰越利益剰余金が多ければその年の企業活動の利益分として確保出来るし、株式配当も実施出来る。

基本的には経常利益の段階までに、純利益を確保することが経営状況としては重要となる。


以上のポイントを抑えつつ、「なぜそう思うか」、「経営上の意味は何なのか」の思考を探求することが求められる。

 

今回も投稿をご覧頂きありがとうございました!